守破離
“守破離”という言葉は、世阿弥の『花伝書』に書かれ、武道などでも言われる、
修行の姿を示す言葉である。
致知出版社の藤尾社長の言葉を借りると、
厳しく鍛えて基礎を完璧に自分のものにするのが「守」である。
その向こうに創造性が芽生える。「破」である。
そして自分のリズムで自在に動く境地がでてくる。「離」である。
先日就活中の大学生にキャリアカウンセリングを実施した時、
「自主性を大事にしてくれる会社に就職したい。自分らしさを大切にしたい。
ちょっと古臭い言葉でいうとオンリーワンになりたいですね。」と話してくれた。
自主性という言葉は非常に重要である。ただし、一足飛びにオンリーワンとはいかない。
そこでこの『守破離』の話をすると、何かに気づいてくれたようだった。
「守」がなければ「破」にも「離」にも至り得ない。
特に新入社員に対しての我々教育に携わる者の役目は、たとえ嫌われようとも基礎を
きっちり身につけさせ、後々困らないようにすることだと私は考えている。
オンリーワンの意味をはき違えた新入社員を育ててしまえば、それは我々の責任である。
今年も数社から新社員研修のご依頼を頂いているが、皆さんの期待に応えられるように
自らの志を強く持ち、全身全霊で臨みたいと思う。