吉田松陰の志から学ぶ
7月に現在学んでいる九州大学大学大学院の基幹教育の『志教育』に参加させていただきました。
50歳になったこの年に、このプログラムに参加させていただくことにより、まさに“天命”を知ることが
でき、今後の志を明確にできたと感じています。
この志教育Ⅰから多くのことを得ましたが、その中でも次の2点が私にとって特に重要な学びです。
Ⅰ 人材育成の本質を掴めたこと Ⅱ 自らの志が明確になったこと
Ⅰ 松下村塾から学ぶ人材育成の本質
松陰神社の上田宮司の話に人材育成における最大のヒントをいただくことができました。
それが「知行合一」つまり知識、学問は行動、実践が伴うものでなければならないというものです。
つまり、「講義」「会読」「対読」「討論」「策問」「野外学習」「武芸」という授業の方法です。
まさに私が今追い求めている研修の原点であります。具体的には、
「講義」 …… 自らの思想・信条を展開する方法
「会読」 …… 数人での協同学習による読解
「対読」 …… わからぬ部分を共に考える方法
「討論」 …… 課題を掘り下げ高め合う方法
「策問」 …… 課題を与えて書かせる作文
「野外学習」… 草取りなどをしながらの学習
「武芸」 …… 銃陣訓練や剣術等
現在多くの企業における人材育成の最大のテーマは、知識・スキルの修得のみならず、それをいかに
行動・実践に結びつけるかです。
まさに、吉田松陰はこの時すでにこの「知行合一」の考え方で将来を担う人材の育成に取り組んでいた
わけです。この学びを今後の研修・運営に活かしていきたいと考えます。
Ⅱ 自らの志
「松下村塾記」には「学は、人たる所以を学なり。‥」と教育の使命が明らかにされています。
また、「士規七則」は野山獄中において、人は如何にあるべきか、武士は如何にあるべきかをいうことを
考え、7カ条にまとめ、その実践項目である三端の一、「志を立てて以て万事の源と為す」とあります。
今まで私は、『個人と組織の成長、成果、そして幸福のための真のパートナーになる』という理念のも
と、 全力で仕事をやってきました。
今回、吉田松陰の志に触れ、まだまだ本気で理念実現に邁進できていないということを感じました。
「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」 この言葉が強く印象に残っています。
今後は自分自身のためだけでなく、将来を担う子供たち、その親たち、そして日本のためにお役に立て
るように、“大和魂”と“強い志”を持って、人材育成に取り組んでいきたいと思います。